【週刊ちゃぱなん】第19号: 世界遺産パハルプール遺跡群

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      第19号: 世界遺産パハルプール遺跡群
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           ○ちゃぱなんのご挨拶○
        ○世界遺産パハルプール遺跡群○
        ○ベンガル語ひとことフレーズ○
           ○今日のおすすめリンク○
             ○今週のクイズ○
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■ちゃぱなんのご挨拶■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 ・・・どうも最近発行が遅れがちの「週刊(?)ちゃぱなん」でありま
すが、しばらく苦しめられていた風邪もようやく直り、なんとか19号を
お送りすることができました。

 さあ、じゃあ今回もはりきっていきましょう!!


■【ちゃぱなんエッセイ】 世界遺産パハルプール遺跡群■■■■■■■

 先週末に仕事でボグラ、パハルプール、そしてモハスタンを訪問してき
ました。特にパハルプールは、世界遺産に指定されたバングラデシュで稀
有な観光資源であるわけですが、当地に住んで延べ6年、行ったことがあり
ませんでした。

 なぜ今まで行かなかったのか。自問してみると、やっぱりこういう言葉
が浮かんできます。「どうせ、たいしたことないよ。」

 仏教文化に関心がないわけじゃないんです。仏像ヲタクですから。三蔵
法師の来訪やパーラ・セーナ王朝期の仏教文化の繁栄、そして賢人オティ
シュ・ディポンコールの足跡など、むしろとても関心があるんです。まし
てや仏像ともなればよだれがでるほどです。

 でもね、バングラデシュ各地の博物館を見てきて、その期待がことごと
く裏切られてきたのです。気になる出土品がまったくないわけじゃない。
世界的にも重要な文化財だってあるのです。じゃあ、なにが気に入らない
のか、今回は、パハルプールとモハスタンを例に書いてみたいと思います。

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 パハルプール観光のための拠点となるのは、遺跡から80キロほど離れた
ボグラ市です。ダッカからボグラまでの道は、日本のODAによって建設され
た最大の多目的橋ジャムナ橋とその両端から伸びるアクセス道がすばらし
くよく出来ているため、交通はすこぶるスムーズ。橋が出来る前はフェリー
での移動を含め一日仕事だったのが、今は3時間半ほどでボグラに到着でき
ます。居眠りしてる間に着いちゃいました。

 ボグラ周辺では遅ればせながら観光開発への民間の参加が始まり、幾つ
か立派なホテルもできました。そのうちの一つ、Hotel Naz Gardenは、3ヶ
月ほどまえにオープンしたばかりですが、4星ホテルと自認するだけあり、
インターネット完備、ジム、プール、ガーデンレストラン(近日オープン)、
イベントホールと、観光ホテルの機能を一通りそろえていて、ちょっと覗い
てきた限りでは建物の中も大変立派。ベビーベッドも頼めば出してくれる
そうです。家族連れも安心。日本からの団体さんもひとまず安心そうです。

 全国に宿泊施設をもつ観光公社ポルジョトンのホテルも主力の宿泊施設
としてがんばっているようで、民間ホテルに負けじ、と建物をド派手なレ
インボウカラーに塗り替えております。

 と、ここまではよいのですが、問題は遺跡までのアクセス。現在パハル
プールのあるバングラデシュ北部は、インドからの河川水の増水で大洪水
に見舞われており、ただでさえ細くてたよりない農道のような観光道が、
舗装がはがれ、穴が開き、一部冠水するといった状態。舗装にあいた穴を
避けるために事故にあったり、横転したりしたバスに何台か出会いました。
まあ、政府は政府で、乾季の観光シーズンに間に合わせるように道の増幅
工事をしているのですが、これが手堀りでやってる状態なので、数ヶ月の
うちに何キロにも及ぶ参道の増幅が出来るとはちょっと思えません。

 そして、悪戦苦闘の末たどり着いたパハルプール遺跡。UNESCOのポスター
なんかで見慣れた山形の僧院跡はそれなりに威厳が感じられ、しばし古の
仏教文化の隆盛に思いをはせました。世界遺産に指定されただけあり、保
存状態は他の遺跡と比べればよい方であると思います。特に今も壁面に残
るオリジナルのテラコッタは興味深いデザインで、素晴らしいものだと感
じました。でも、その下に、なぜつるつるのレプリカを置くかなあ・・・。
大変興ざめでありました。まあ、それはまだよしとしましょう。

 何よりボクが気に入らないのは博物館です。仏教僧院跡なのに仏教文化
を示す出土品が少ないのはまあ仕方がないことです。でも、この僧院跡が
どういうところであったのか、仏教文化の中でどのような位置づけだった
のか、そんな研究は日本人研究者を含む何人もの人がやってらっしゃるの
です。出土品がないならないで、そういう研究成果に基づく図表とか模型
とか説明とかおけばいいじゃないですか。そういうのは一切なくて、サイ
トの図面と出土品の展示のみ。釈尊とその弟子たち、三蔵法師とかオティ
シュ・ディポンコールとの係わり合い、そして仏教文化の中心としての僧
院の面影。仏教遺跡を訪れる人達が感じたいもの、ロマンって、そういう
もんでしょ?掘って出てきたものを名前と年号を付けておけばいいっても
んじゃないですよ。

 今、日本政府も、バングラデシュ政府と協力して、バングラデシュの観
光開発をどうしていくかを真剣に考えています。いろんなことが必要だと
わかります。文化財保存、博物館整備、交通インフラ、宿泊施設、それら
のため投資誘致・・・。でも、そういう物理的な仕事の前に、ロマンにつ
いて考えてみませんか?

 旅する人のロマンってのは「ストーリー」だと思うんです。ある物語の
中にいる感覚。たとえば、ユーラシア大陸を横断してみようという人は、
マルコポーロだったり沢木耕太郎だったりのストーリーを追体験してるん
だと思うんですよね。ミャンマーを旅する人の多くは、インパール作戦の
歴史やその中での自らの体験や思い出、あるいは「ビルマの竪琴」のスト
ーリーの中で旅をしてると思います。そして、仏教遺跡を旅する人は、も
ちろん釈尊やその弟子、三蔵法師やディポンコールなどの足跡を追い求め
て、そのストーリー(あるいはご利益?)を感じるために旅するのだと思
います。そういう人達にとって、ヒンドゥ神像など他の宗教の出土品は、
それがどんなに立派なものでも、二の次なのです。逆に、出土品がなくっ
たって、自分が歴史の舞台に立っているという感覚が得られる展示があれ
ばそれでいいんだと思うんですよ。

 ボクはバングラデシュの専門家だから、バングラデシュのいろいろ足り
ないところなんかもついつい贔屓目に見てしまうところがありますが、ボ
クがもしただの仏像ヲタクな旅行者であれば、決して安くない航空賃と人
生の貴重な時間を使って果たしてパハルプールにやってくるでしょうか?
・・・残念ながら、とても来るとは思えません。だって、ロマンが感じら
れないもの。キザと言われましょうが、「ロマンティック」って大事なこ
とですよ。ロマンがあれば、どんな大変なとこだってお客は来るもんです。
「秘境ツアー」ってのは便利な言葉ですよね。どういうとこだかわかんな
くても、「秘境」であればそこに行くこと自体が「ロマン」だから(笑)。

 パハルプールは世界遺産なんだから、世界遺産として後世に残すべき歴
史と文化の証人なんですよ。だから、ボクらがパハルプールを通じて後世
に残すべき歴史と文化がどんなものかってことを知らせる努力をしなくちゃ。
そこに人はきっとロマンを見出すのです。そこらへんをバングラデシュ政
府にわかっていただきたいところですね。


■【Chapanan.com新着情報】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 ◎ちゃぱなん映画ライブラリ
  http://www.booklog.jp/tana.php?ac=chapanan_movie&skin=spine&jm=&cate=&dm=rad

  今まで「管理人部屋」でこっそりやっていたヘナチョコ映画評論を
 こちらに移転しました。どうぞ覗いてみてください。(トップページ
 のリンクは今製作中です)

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 ○ちょっと変わったハンディ・クラフトのお店「ジャットラ」
  http://www.chapanan.com/mt/archives/000358.php

 ○パハルプール・モハスタン遺跡群訪問記
  http://www.chapanan.com/mt/archives/000357.php

 ○鳥の雲
  http://www.chapanan.com/mt/archives/000356.php

 ○『おいしいバングラデシュ―世界探訪・食と風土』
  http://www.chapanan.com/mt/archives/000355.php

 ○南アジア・ストリートフード 第7回 「アムラ」
  http://www.chapanan.com/mt/archives/000354.php

 ○南アジア・ストリートフード 第6回 「プリ・サンド(puri sand)」
  http://www.chapanan.com/mt/archives/000353.php
 
 ○「ザ・カップ-夢のアンテナ-」を見ました。
  http://www.chapanan.com/mt/archives/000352.php


■【ベンガル語ひとことフレーズ】■■■■■■■■■■■■■■■■■

ベンガル人と話をするときに知っておくと便利な表現や語彙を紹介します。

 今日の表現は、新聞を賑わわす災害関係の表現を集めてみました。最近
は世界中で大災害が起こってて、いやンなっちゃいますよね。。

【災害名称】
  「ブミコンポ」: 地震
  「グルニ・ジョル」: サイクロン、竜巻
   (「ぐるぐる回る嵐」ってニュアンスで、辞書にはサイクロンと竜
    巻の両方の意味で載っています。)
  「カル・ボイシャキ」: ボイシャキ月(4月後半から5月前半)の日
    の午後に起きる北西の強風。Nor'Westerとも呼ばれます。
  「モロン・グルニ」: 直訳すれば、「死の嵐」。特に強風で多くの
    死者が出るような嵐をこう呼ぶことがあります。
  「ボンナ」: 洪水
  「ボルシャ」or「ボルション」or「ブリシュティ」: 雨
   (ちなみに、「雨期」は「ボルシャ・カル」)
  「ボジュロ・パット」: 落雷
   (ちなみに、「雷鳴」は「ボジュロ・コント」)
  「オグニカンド」: 火災
   (もちろん、「アグン(=火)」からきた言葉です。)

【被害状況】
  「ニホト」: 死亡
  「アホト」: 負傷
  「グリホ・ヒン」or「グリホ・ハラ」: 住居を失った(人)
  「ドングショ」: 破壊、崩壊
   (ちなみに、遺跡、廃墟のことを「ドングシャボシェシュ」と言い
    ます。)
  「ドゥベ・ゲチェ」: 「冠水しました」or「沈みました」


■【今日のおすすめリンク】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 ○遠山顕のホームページ
  http://www.kentoyama.com/tindex.html

  学生時代に「百万人の英語」で一生懸命英語を勉強していたころのボ
 クの最高の師匠でした。英語駄洒落は今でもツカミに使っています(笑)。

 ○矢追純一のUFO裏メモ
  http://blog.livedoor.jp/yaoijunichi/

  このおっさんだけは、しかし、あいかわらず・・・。ボクと同年代の
 三十台の方々にはたまらんページであります。MJ-12とか・・・、おもい
 だしちゃいますね。


■【今日のクイズ】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 今日のクイズは、おみやげについて。

 今回ボクが出張で訪れたボグラには、政府観光公社「ポルジョトン」の
ホテルがあり、そこに泊まったんですが、そのホテルのフロントには、一
つだけおみやげ品が売られていました。それは一体何だったでしょう?

 (1)「I love Bogra」ロゴ入りのTシャツ
 (2)ホテルの全景写真入りペン立て
 (3)パハルプール遺跡のシルエット付のクレスト(盾)
 (4)7色のガムチャ(ベンガル手ぬぐい)


 解答は後日chapanan.com上のバックナンバーページで発表します。

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ではまた来週。ごきげんよう!!


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Posted by chapananat 2005年11月06日 06:32| コメント (0) | トラックバック (0) | Clip!!

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