ここんとこ忙しくって、報告が遅れましたが、先週の日曜日、ボストンに、あのアシャ・ボスレーがやってきました。
え、知らない?
じゃあ、レコーディングを行った曲の数で世界最高としてギネスブックに記録されているラタ・マンゲシュカールの妹さんだといったらわかりますか?
・・・わからないですか。
しかたがない。じゃあ、こういえばわかりますかね。
インドで売れ線の映画音楽のCDを買って、女性の歌声が入っていたら、それは大雑把に言って、ラタ・マンゲシュカールかその妹のアシャ・ボスレーのどっちかだ、といっても過言ではないのです。
すなわち、インドの流行ってる映画音楽を何曲か聴いたことがある人は、きっとアシャの声も聞いているはずなのです。
とにかく、この姉妹は、2人で何万曲もの歌を歌っている怪物おばあさんたちなのです(それぞれの実際の曲数については、いろいろ見解の違いがあるようですけどね)。
で、このすごい姉妹の妹さん(といってももう75歳)が、世界ツアーでボストンにやってきたのです。会場は、ボストンでもっともステータスが高いとされる、ボストン・シンフォニー・ホール。
千人以上入りそうな会場なんですが、さすがインドのアイドルばあさん、席は見る見るうちにほぼ満席となりました。
特別ゲスト(というか前座?)として、ベンガルの伝説的歌手キショル・クマルの息子、アミット・クマルも熱唱し、ステージを盛り上げました。
どうも会場のわりにはマイクのセッティングがよくなくて、特にアミットの声は響かなかったんですけど、それより何より、やはり大御所アシャ・ボスレーの前には、そこそこ知名度の高いアミットもほとんどただのオッサンに見えてしまいます。
アシャはほんとに見た目普通のちっちゃなおばあさんなんですけど、やっぱり声のハリがちがうし、マジにオーラがありました。
多少のセッティングの悪さは関係ないっていうか、すごい歌声です。
ああ、この人はホントに歌を歌うために生まれてきたのだなあ、と思いました。
会場にバイブレーションが伝わるんですよね。
アミットのときにも、そこそこ歓声とか手拍子とか入るんですけど、アシャが歌いだすと、老いも若いもみんな踊りだしてしまう。
そんな歌手ってインド以外にいるかな、とか思っちゃいます。
インド人のDNAの中に刷り込まれた歌声、といっても大げさではない気がします。
ボストンの由緒あるコンサートホールに、それほど安くもないチケットを買って集まるインド人たちは、米国籍を得て立派な職についている人だったり、財をなした人だったり、ハーバードやMITで学ぶ優秀な学生だったり研究者だったりするんでしょうが、それがインドの村人たちと同じようにアシャの歌を聴いて踊り狂っている、っていうのが、ボクにはとてもグッと来たのです。
彼女がインドなんだ、と思いました。
近年にない、楽しいコンサートでしたよ。
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