ついにやってきました。犠牲祭。バングラデシュ全土で無数の牛たちがビーフカレーとなる日です。ボクはこの血なまぐさい祭りが正直大きらいで、過去5年間バングラデシュに住んでいながら、この祭りを自らすすんで見に行ったことはありません。今年も出掛けまで迷っていたのですが、意を決して一部始終を見てまいりました。
この時期はホントに外に出るのもいやなんですよ。大げさじゃなくて町中ホントに血のにおいがするのです。でも、生活の中で人々が長年にわたって継承してきた文化なのだから、正面から向き合って理解するのが国際理解というもの。みなさんもちょっとだけおつきあいください。
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コルバニ・イード(犠牲祭)ってのは、日本の正月だと思ってください。日本人が大晦日までにモチやおせちを揃えないと年が越せないというように、バングラデシュ人も、イードの前日までに生贄の牛を買わないとイードが迎えられないと考えます。牛を買うために貯金をしたり会社に前借りを頼んだりして、月給1~2か月分以上の値段の牛を購入し、イードの日に生贄にささげたら、あとはもちつきのモチのように近所におすそ分けをしたり、モスクに寄付をしたりします。生贄の肉は3等分にわけ、ひとつはモスクに寄付し、ひとつは来客に振る舞い、ひとつは自分達で食べる、ということになっているそうです。
貧しい人たちは、イードの日にモスクに列をなし、寄付された肉のおすそ分けをいただきます。犠牲祭には、神に敬意を表するとともに、富を貧しい人々に分け与えるという宗教上の意味があるわけです。
一見残酷な祭りですが、人間の生活というのは、一皮剥けば殺して食らうものです。生きることは食べること。それを包み隠さず見せているに過ぎません。自分が血肉とするものに正面から向き合い、感謝しながら食べる。それが人間のあるべき姿なのかもしれない、と思えてきます。「自分はベジタリアンだから手を汚していません」なんていう考え方よりボクにはよっぽど素直に受け入れられる気がします。
・・・なーんていったところで、この血なまぐささはちょっと普通じゃないですよ。ま、御託はこのくらいにして、とりあえず自分の目で見て何かを感じてください。
例によって写真館に体験記を掲載しました。ただし、モザイク修正したとはいえかなりショッキングな写真がありますので、苦手な方はくれぐれもご覧にならないように。
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